事実は小説よりも樹なり・ハワイ編4
圧倒!アメリカン・フットボール (2002'11'11)




今回は、アメリカン・フットボールのおはなし。
これは、ハーフタイムにブラスバンドが演奏しているところ。

 以前、このページに早稲田大学と慶応義塾大学の伝統の一戦「早慶戦」について書いたことがあった。早稲田で伝統の一戦といえば、この他に、毎年12月に国立競技場で行われる明治大学とのラグビー「早明戦」、お正月の定番「箱根駅伝」などを挙げる事が出来るが、試合会場の熱気たるやすさまじいものがある。

 かわって、こちらハワイ大学。アメリカの大学で定番のスポーツと言えば、野球も然る事ながら、やはりアメリカン・フットボール。そんな訳で、先日ルールも知らないくせにハワイ大学のフットボールチーム「WARRIOR(『勇士』の意味)」の試合へ足を運んできた。会場は、大学からバスで40分ほどの「アロハ・スタジアム」。このスタジアム、5万人を収容でき、ボタンひとつで野球用からフットボール用に変更できるというもの。午後6時開始の試合に少し遅れていったのだが、スタジアムに近づくにつれ、地響きのような歓声が聞こえてきた。

 ゲートをくぐり、階段を上り、驚いた。パッと開けた視界には、スポットライトを浴びてまぶしく輝く緑のフィールド。チアリーダーはくるくると舞い、ブラスバンドはトランペットを上下に振りながらのりに乗って演奏している。そして、huge(巨大な)という言葉がふさわしい、観客席を埋め尽くす人、人、人。そのすさまじい人数の観客が、チャンスのたびに、足踏みし、立ち上がり、歓声をあげる。早慶戦のように、応援団が音頭を取ったりする訳でなく(そもそも学ランを着た応援団など、ここでは存在しない)自然発生的に皆が皆大きな盛り上がりを見せる。印象的だったのは、観客席でウェーブが起こったときに、それが終わることなく何周も続いていたことだ。もちろん、何の音頭もなく。

 チアリーダーにも驚いた。ただ踊っているだけかと思ったら、いきなり、池谷幸雄よろしく連続バク転からバク宙なんかをやりはじめたのだ。余りに凄すぎて正式名称は分からないが、オリンピックの体操、床の「ムーンサルト」をイメージしてもらえれば良いと思う。しかも、1人だけでなく全員が全員。もう何だかそのシーンだけで、日本とアメリカのスケールの違いを見せつけられたような気がした。

 試合は、結局ハワイ大学が59対34でネバダ大学を下したらしい。らしい、と いうのは、今もってルールが分かっていないもので、後から友達に教えてもらったからである。とは言え、ルールは分からなかったが、スタジアムで試合の熱気を感じながら食べた、これまたhugeなホットドッグとビールは最高であった。ハマってしまった感じ。と、いう訳で、次回までにはルールを覚えていこうと思っているところである。