「スナフキンの軌跡の果てに」 DIARYです。
2002年08月〜09月


  • 9月12日(木) ムラカミさん夫妻


     いま受講している「Problems of war and Peace(戦争と平和問題)」の授業には、おじいちゃんとおばあちゃんの老夫婦がいつも聴講に来ている。日系人のようなのだが、既に仕事はリタイアして、正規の学生という訳ではなく、ただ勉強を楽しむために朝早くから聴講に来ているみたいだ。話したことは無かったのだが、先日いきなりぼくに向かって「Good morning. Mr.MURAKAMI」と声をかけてきてくれたので、びっくりしてしまった。というのも、自己紹介した訳ではなかったので、どうやって名前を知ったんだろうと不思議に思ったからである。

     と、いう訳で、今日の授業でおじいちゃんに挨拶するとともに、少し話をしてみた。そうしたら、何とおじいちゃんもムラカミさんというそうでびっくり。もともと家族は広島から移民してきたらしい。おじいちゃんは、恐らく日系2世ということか。授業中、出席確認のため、出席簿がまわってくるのだが、道理でぼくの名前を見た時にすぐに覚えて親近感を抱いてくれたんだなと納得した。自分も遠い地で出会ったムラカミさんに、親近感を抱いたのは言うまでもない。



  • 9月4日(水)MOCHIKOチキン弁当

     いつも授業が8時半から始まるため、朝食は授業が終わってから売店で買うことが多いのだが、ずっと気になっているメニューがあった。その名も、「MOCHIKOチキン弁当」。見た目はただの唐揚げ弁当なのだが、この「MOCHIKO」とは、いったい何ぞや?という訳である。

     答えは、先日スーパーへ行ったときに分かった。小麦粉のような袋に、平仮名で「もちこ」と書かれて売っているのを発見したのだ。そう、「MOCHIKO」とは、「もちこ」つまり「餅粉」の意味であったのである。日本で「餅粉」というものは売られていないが、餅の粉であるから、おそらく「白玉粉」のことであろう。それをこちらの人は、白玉を作るだけでなく、唐揚げの粉に使っていた訳だ。

     そういう訳で、今日、授業後に初めて「MOCHIKOチキン弁当」を試してみた。白いご飯の上にカマボコ、ソーセージにたくわん、それにこのMOCHIKOチキンが乗っかっている。見た目は、もう日本でどこにでもありそうな唐揚げ弁当。して、問題の味はというと、全くもって美味しかった。唐揚げと竜田揚げの中間を想像してもらえれば分かりやすいか?これは、完璧に日本の味である。相変わらず、外国に居る気のしない、ハワイでの食事であった。



    これが、モチコチキン弁当だ!



  • 8月31日(土)City Tourと沖縄フェスティバルの日

     8月も最終日。学校の留学生向けのホノルル周辺観光ツアーへと参加した。絶景が楽しめるヌウアヌ・パリ展望台、国立太平洋記念墓地であるパンチボウル、ホノルル・ダウンタウンにある州政府ビルおよびイオラニ・パレスなどのスポットをスクール・バスでまわる。

     そして、何より目玉はハナウマ・ベイ。先週1人で行ったときには、あまり時間が取れなかったため、今度こそは!と意気込んで海に入る。

     潜ってみて驚いた。鮎に似た白い魚が、100匹ほどの大群で泳いでいるのに遭遇したのだ。しばらく一緒になって行動する。ここの魚は人間を怖がらないため逃げていかない。30分ほどの時間はあっという間に過ぎてしまった。


     そして、夕方には、ワイキキビーチ横のカピオラニ公園で開催された「沖縄フェスティバル」へ行ってきた。ハワイなのに沖縄?と不思議に思う人がいるかもしれない。実は、ハワイには、沖縄からの移民が数多く渡ってきたため、太ーいコネクションが存在するのである。

     会場は、予想以上に賑わいを見せていた。そして全体的にサーターアンダギー(琉球ドーナツ)の香りが漂っている。ステージでは、喜納昌吉の「花」が歌われていた。

     沖縄の食料品や物産市場、それに食べ物の屋台が並んでいる。屋台はそれぞれ「那覇」とか「本部」とか「首里」といったように、地域に分かれて切り盛りしていた。中には「Pig's Feet Soup」なんていう料理も。直訳すると、「豚の足のスープ」であるが、これは沖縄料理の「てびちー」のこと。

     気が付いたら、ステージの音楽は三線(沖縄の三味線)の弾き語りに変わっていた。三線の乾いた音色とゆっくりとした調べが、黄昏時のワイキキの空と海に柔らかく溶け込んでいく感じがした。


    オキナワ・フェスティバルを知らせる横断幕


  • 8月30日(金)チャリを購入した日

     やっと、最初の1週間の授業が終わる。授業後、たまったメールの返信をいっきにした後、一念発起して、自転車を買いに行くことにした。バスも多く走っているとはいえ、バス停で待つ時間や、いちいち停留所にとまる時間が、 待つことが苦手な自分には耐えられない。何より、自転車があれば、ワイキキまで15分ほどで行けるのが便利だと思う。授業と授業の合間の時間に、ワイキキビーチへ行って泳いでくることだって可能だ。(実際にやろうとは思わないが。)

     アラモアナ・ショッピング・センター横のワード・センターというショッピング・モールの一角にある「スポーツ・オーソリティー」へ買いに行った。この店は日本にもあって、特にお台場店の並びのカフェでバイトしていたことがあるので馴染み深い。18段ギアのかっちょええマウンテン・バイクを買った。$99.99。日本円に直すと、1万2500円くらい?日本の西友とかで、ママチャリ買うのと同じ値段で、こんなにかっちょええマウンテン・バイク買えるのは、何だか得した気分。ライセンス料で、余計に$15取られたが、それにしても安いでしょう。ギア付きの自転車なんて、生まれてこのかた使ったことないので、何だか緊張してしまうが、長年にわたるママチャリ愛用者の自分としては、カゴがついていないのは何だか不便だなと思ってしまう。まあ、何はともあれ、ルンルン気分(死語)で、鼻歌混じりに寮まで乗って帰る。


    これが、噂の「かっちょええチャリ」


  • 8月27日(火)専門の授業初日

     今日は、専門の授業の初日。ここハワイ大学では、最初の1週間ほどは、授業の登録・追加・削除が自由に出来るので、とりあえず2つ出席してみて、どちらか1つを選ぶことにした。1つめの授業は、午前9時からの「Problems of War & Peace(戦争と平和問題)」、そして2つめの授業は午後1時半からの「Survey Peace/Conflict Studies(平和と戦争学概観)」。名前から分かるように、2つとも同じような内容っぽいので、後は教授の性格や講義要項から決めようという訳だ。

     「この授業に出席する学生は、リーディング・アサインメント(授業までに読んでこなくてはいけない文献)を毎回必ず読んでくることに加え、新聞『ニューヨーク・タイムズ』を購読すること。」午前中の授業の、初老の女性の教授はそう言っていた。続いて「ヒロシマ・ナガサキ」についてのビデオを見る。新聞を読むことを課することといい、ヒロシマ・ナガサキのビデオといい、何だか早稲田で自分が受講していた授業とシンクロするな、と思った。

     一方、午後の授業は、初回から教授が20分ほど遅れてきた。中年の男性の教授。こちらの授業でも、何でもよいから新聞を購読して、毎日興味がある記事に対して感想を書くことが課題だそうだ。その後、名簿を利用してランダムに学生を指名し、質問を投げかけていた。しかし、そのやり取りが全然分からなくて、自分が当たったらどうしようとおびえる。

     結局、迷った末に午前中のクラスのほうを受講することにした。やっぱり、あの恐怖の指名攻撃に恐れをなしたからだ。多分、大したことは質問していないし、学生も大したことは答えていないな、というのは何となく分かるのだが、とは言え、やっぱり何をやり取りしているかが分からない。ドッジボールも、ルールも知らずに、いきなり内野は無理でしょ。最初は外野で慣れさせてよ、という訳である。

     と、いう判断で午前中のクラスにしたのだが、実は午前中のクラスこそ、政治学の学部の中で、一番厳しい教授の授業だということが分かるのは、科目登録期間の後になってからのことであった・・・。その後のエピソードは、こちら。



  • 8月26日(月)授業初日

     とうとう授業初日。しかも、朝8時半から授業があるため7時半には起きる。これから授業の終わる12月までは、毎日8時半か9時から授業があるため、ずっと早起きしなくてはならない。日本の大学生としては、まず考えられない健康的な生活である。

     月・水・金の授業は全て留学生向けの英語の授業。朝1番のはReading(読解)。先生は、ヒョンジュンという名前の若い女性の韓国人。話を聞くと、どうやら留学生向けの英語の授業はSLS (Second Language Studies) という、英語を教えるための学部の大学院生が受け持っているらしい。学生は全部で15人ほど。互いに自己紹介して初回の授業は終わる。
     その後、2時間の空き時間をはさんで、11時半からListening(聞き取り)の授業。先生はモアナという名前の、金髪のバリバリアメリカン・ガール。私の名前はショッピングセンターと一緒だから覚えやすいでしょ、なーんて冗談混じりに笑いながら話していて、楽しそうな先生。ただ、学生が20人中、韓国人学生1人を除いて、み―んな日本人学生で、その点は何だか日本にいるみたいだなあ、という感じである。
     そして、もう一つ午後にある授業が、writing(作文)。この授業も、先生は若い女性の韓国人で、名前はジンヒー。こちらも自己紹介で初回は終わった。

     結局、英語のクラスを3つ受けてみた感想としては、これらのクラスだったら、周りもみな留学生で、英語を外国語として学ぶ同士だから、何とかやっていけるな、ということ。しかし、その分、普通のクラスでやっていけるかどうか不安が残る。普通のクラスは明日の9時から。


  • 8月25日(日)ハナウマ湾

     ハワイへ来て1週間。もう明日から授業が始まるというのに、まだ海で泳いでいない。という訳で、今日こそはとシュノーケリングを持って泳ぎに行く。「ハナウマ湾」というところが、魚がいっぱいで綺麗と聞いていたので、ちょっと行ってみんべ、とバスに乗ってみたものの、どこで降りていいのか分からない。大体ここら辺かなあ、と思ってガイドブックを覗いていると、親切にも隣に座っていた人が教えてくれた。

     「ハナウマ湾」は、話に聞いたとおり魚がいっぱだったのだが、久しぶりのシュノーケルだったので、コツをすぐに取り戻せずゴーグルにいっぱい水が入ってきてつらくなる。加えて夕方の4時過ぎに入ったので、少し陽も落ち気味で何だか肌寒い。もっと早い時間に来て、晴れ渡った空の下、時間を気にせず泳いだら気持ち良いだろうなと思う。

     寮に戻ったら、ルームメートが引越して来ていた。初対面。ハワイ・オアフ島出身の大学院生で、実家も大学から1,2時間のところにあるものの、通うのが面倒くさいから寮に住むことにしたと言っていた。彼はお父さんが韓国系、お母さんが、中国系と沖縄系のミックスだそうで、見た目は何だか日本人。


    「ハナウマ湾」夕方ということで、ちょっと寒々しい感じですが。



  • 8月18日(日)−8月24日(土)とうとうハワイに到着!

    8月18日(日)

     とうとう出発の日である。何だか、1年間留学するというのに、不安や緊張が全くない。まるで旅行にでも行くような気持ちで、我ながら何か変だなと思う。飛行機はあっさり離陸し、あっという間にあっさり到着した。もうハワイである。このハワイに憧れてずっと頑張ってきた、そのハワイである。
     空港で迎えに来てもらう予約をしていたのだが、約束の時間になっても、それらしい人は見当たらない。電話をしたところ、すぐ行くと言われたものの、やっぱり来ない。結局、4時間ほど空港で待ちぼうけすることになってしまった。
     ずっと空港にいたので、ハワイの景色なんて全然分からなかったのだが、車の窓から見るハワイの空は最高だった。ずっと、これに憧れていたんだと、自分の中で再確認、再認識した。ホノルルのダウンタウンが見える。ダイアモンド・ヘッドが見える。ああ、ハワイに、ホノルルに来たんだ。そう思った。

    8月19日(月)

     7時頃に窓からの光で目が覚める。とは言え、昨日は時差の関係で2日間起きっぱなしだったから二度寝する。結局1時過ぎまで寝る。二日分の睡眠。起きた後、交換留学生のコーディネーターの方のところへ挨拶に行く。すごく良い人だった。帰りにスター・マーケットという近くのスーパーまで歩いていく。近くに日本のカレー屋「ココ壱番」があったので、夕食にチキンカツ・チーズカレーを食べた。味は日本と全くいっしょ。

    8月20日(火)

     今日も、12時頃起床。午後に留学生向けのオリエンテーションに出席する。何人かの日本から来ている留学生と友達になった。その後、彼らとバーガーキングへ食べに行く。
     帰りに、雑貨屋でビールを買った。寮に戻って、皆で飲む。こっちにきてはじめてのビール。あー美味い。この寮は10階建てで、上のほうの階からの眺めは最高。


    寮からの眺め。左手にダイアモンド・ヘッドも見えます。

    8月21日(水)

     10時からキャンパス・ツアー。で、8時半に目覚ましセットしていたのが、結局2度寝してしまって、15分前に友達にドアを叩かれて目覚める。
     キャンパス・ツアーのあと、留学生に義務付けられているツベルクリンの予防接種を受けに行く。が、最近「はしか」の予防接種を受けていたため、間をあけないといけないと 言われる。
     夜は留学生向けのピザパーティーへ行く。寮へ帰ってきたら、外で学生が集まってウクレレで歌っていた。ベランダから聴きながら、こーんな何もない寮でも、こうやって楽しみを作り出す人間って素晴らしいな、なーんて思ったりする。

    8月22日(木)

     英語力の診断テストを受けるため7時過ぎには起床。夢を見ていたら、夢の中で時計のアラームが響きわたって、それが目覚し時計と気付くまで時間がかかった。思わず2度寝するが、やはり友達が起こしに来る。
     試験は、予想はしていたが、さっぱり出来なかった。やはり単語の復習は欠かせないと思う。午後に、科目登録のWEB PAGEをみたところ、既に多くの科目が定員に達していて唖然とする。それでも、なんとか取りたい授業のめどをつける。

    8月23日(金)

     今日はやることがいっぱい。
     まずは、今まで住んでいた一時滞在の部屋から引越し。同じ寮内の引越しとはいえ、荷物をまとめるのは大変。新しい部屋は7階で眺めも最高!
     続いて、昨日の英語の試験の結果を見て、科目登録。試験結果は、案外思っていたほど悪くなくて意外な感じがした。科目登録が終わったことで、やっと学生証を手に入れる。
     午後には、交換留学生向けのオリエンテーション。具体的な情報が満載で非常に有益だった。
     そして、夜からは、留学生向けのWelcome Party。色んな人に話しかける。ただ、いつも違和感を感じるのは、日本だったらこういう席には必ずお酒が付き物なのに、こっちではまず絶対出てこないということだ。仕様がないので、踊りに混ざってハイテンションになる。

    8月24日(土)

     昼に、初めて寮のカフェテリアで食事をする。体のでかいフットボールチームの選手が、山のようなハンバーガーやピザ、それに一人で何杯ものコーラやジュースを飲んでいてビビる。
     その後、歩いてワイキキまで行ってみる。ワイキキで自転車を1日レンタルする。ワイキキビーチの横を通り、そのままダイアモンドヘッドを一周してみる。ダイアモンドヘッド・ビーチもすごくきれい。
     その後、アラモアナ・ショッピング・センターという、ハワイ一大きいと言われるショッピングセンターへ行ってみる。マジででかい。また近くにはスーパーのダイエーがあり、日本のせんべいとかが沢山売っていた。ダイエーも、半端なく大きい。
     帰りに、99セントショップで生活品を買い物して帰宅。隣の部屋の人たちとビール飲みながらいっぱい喋った。


    ダイアモンドヘッド・ビーチ



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