事実は小説よりも樹なり・ハワイ編40
ハワイ最後の日 (2003'07'31)



ハワイ最後の日1
今回でハワイ編最終回
長い間読んでいただき、ありがとうごさいました。

 5月23日、午前5時。スーツケースへ荷物を詰めていたのが、いつの間にか寝てしまっていたようだ。乾燥機から、3時間ほど前に入れた洗濯物を取ってきて、それらをたたんで、スーツケースへと詰めていく。

ハワイ最後の日2  午前7時。散歩がてら、大学内のパソコンルームへ行きメールチェック。長い間お世話になったハワイ大学とも、これでしばらくはお別れだ。夏休みに入り、がらんとした駐車場。ぽつんと1台止まっていた車の上で、猫が4匹ほど集会していた。校内で、サイミンというハワイ版そばを買って朝食にする。

ハワイ最後の日3  午前8時半。チェック・アウト。迎えに来てくれたルームメートの車で空港へと向かう。高速道路は空いていて、20分ほどで到着する。ルームメートのスチュワートとは、9ヶ月もの間、ケンカもトラブルも無くやってこられた。彼と同じ部屋になれたことは非常にラッキーだったと思う。最後に、彼から首にレイをかけてもらい、お別れをした。

 スーツケースは、2つのうち1つが重量オーバー。あわてて、中身の入れ替えをして預けた。そして、出国ゲートをくぐる。フライトの離陸時間まで、まだまだ時間があったので、空港内を散歩。免税店でお土産を買う際に、店員のおばちゃんと少し話した。正直帰りたくないですねぇー、と言ったら、ハワイにいたいんだったら、こっちの女の子を見つけるのが一番だよ、と、やけに実践的なアドバイスをもらう。飛行機に乗る前に、日本の家族に電話をかけ、成田まで車で迎えに来てもらうよう頼んだ。

ハワイ最後の日4  電話を切り、午前11時10分前。飛行機へと乗り込む。機内は、乗客で満員。予想していた通り、特にこみ上げてくるものもないまま、定刻通り午前11時に飛行機は離陸した。ハワイなんて、その気になればいつだって来られるし、本気で移住しようと思えばそれだって可能だ。東京に帰ったら、すぐに親友で旅仲間であるニョーリーやキク、イッチ達とも会える。何だか、世界への出張を何とも思わないビジネスマンのように、フツーにハワイを飛び立った。窓から見た海の綺麗さに、改めて感嘆しながら。

 機内では、トイレへと立った際に、偶然にも同じ寮に住んでいたビリーに会う。日本贔屓の彼は、夏休みを利用して1ヶ月間東京へと行くらしい。しかも、ぼくの家から程近い、東久留米に滞在するらしく、成田からの電車の乗り換え方法を聞かれる。最初、その方法を教えるものの、自分はハワイでは多くの人にお世話になったのだから、今度はこちらが日本でお世話してあげる番だろうと思い、良かったらうちの車に乗っていかないか?と提案する。スキンヘッドの白人のビリーを見たら、両親はきっとびっくりするだろうな。

 機内では、余り眠れなかったが、7時間はあっという間に過ぎて東京に到着。飛行機から到着ロビーまではバスで移動。東京は肌寒い。ビリーと2人、バスに乗り込む。そう、東京に戻ってきたのだ。いつも曇り空で、灰色で、周りはほとんどが日本人であるこの都会に。日付は、既に変わって5月24日午後。

 この後、ビリーを送り、夜にはニョーリーやキク、イッチといった仲間達と会うわけだが、ハワイ留学の体験談は、ひとまずここで筆を置くことにしよう。


 こうして、ぼくの、ハワイ留学は、終わった。


 長い間、ご愛読ありがとうございました。、ハワイ大学留学体験記は、40回目の今回を持ちまして終了です。来週からは別の何かになる予定ですが、これまで通り週1回の更新を続けていくつもりなので、これからもよろしくお願いします。