事実は小説よりも樹なり・ハワイ編38
サーフィン初心者による奮闘記録 (2003'07'16)



サーフィン初心者による奮闘記録1
海から見る、ワイキキの街並み。
サーフボードに立って波乗りしながら見ると・・・、

サーフィン初心者による奮闘記録2
こんな感じ。

サーフィン初心者による奮闘記録3
さらに横を向くと、こんな感じ。
以上、サーフィンしながらの防水カメラによる撮影でした。

 海が、好きだ。海を見ていると、心が落ち着いてくる。普段、地平線が見えない生活をしているからかもしれない。海に来て、遥かかなたの水平線を見ていると、何だか自然に戻ったようで、ふぅっと肩の力が抜けてくる。

 ただ、いくら海が好きだからといって、長時間1人で黄昏れているのは、ちょっと手持ち無沙汰だ。何より、あやしい。だから、海と遊べることがしたかった。それも、体1つさえあれば遊べられるもの。それが、サーフィンをしたいと思ったきっかけだ。

 そんなこともあり、ハワイでは絶対サーフィンをしようと思っていた。だが、ボードをどうやって手に入れよう?とか、それをどうやって海まで運ぼう?など、なかなか踏み出すことが出来なかった。そして、4週間ほど経った日曜日の朝。とにかくやってしまえと一念発起し、ワイキキ・ビーチまで自転車を走らせ、観光客向けのレンタルショップでロングボードを借りた。

サーフィン初心者による奮闘記録4  海に入る前に、波の状態や、サーファーがどうやって立っているかを観察してみたのだが、まあ考えていても仕様がないと、海の中へ向かう。以前、千葉の海で何回か挑戦したことがあったのだが、ロングボードは初めてだった。想像以上に安定的で、そのまま立ち上がれそうな感じである。パドリングで沖へと向かったのだが、見た目より結構距離があった。また、岸から見たらサーファー達で混んでいるように見えたが、実際沖へ来てみると、そこまで多くもない。波が来たので見よう見まねで乗ってみようとするが、中々上手くいかず、そのうちにようやく波に乗れた感じがしたので立ち上がってみたが、ザブンと落ちてしまった。しかし、夢にまで見たハワイでサーフィンをしているんだと思ったら感慨深く、やっとここまで来たかという感じがした。そう、ずっとこれがしたかったんだ。

サーフィン初心者による奮闘記録5  結局、この日は立つことは出来なかったが、翌週挑戦した時に初めて1度立つことが出来た。波に乗る、波の上に立つという体験は、想像以上に新鮮で、1度立てると、もう1度、更にもう1度という気になってくる。何より、波の上から見える風景は格別だった。その翌週には、更に何度も立つことが出来るようになった。

サーフィン初心者による奮闘記録6  また、丁度その頃、大学内の掲示板で「中古ボード、$20で売ります」の張り紙を見つけた。超破格の値段に、本当に使えるのかなといぶかしがりながらも、もし駄目でも$20なら良いかと購入をした。結果は、少し補修はされているものの、全然使用に問題は無く、それ以降は、自転車にボードをくくり付けて海へと行くようになる。車が通る横を、大きなボードをつけてヘコヘコと自転車を漕ぐのは大変だったが、こうやって好きなときに、自由に、お金もかけずにサーフィンに行ける生活というのは、実はものすごく贅沢なのではないかとも思った。

サーフィン初心者による奮闘記録7  実際は、授業の勉強や、マラソンの練習のジョギングなどもあり、そんなに頻繁に海に行った訳ではない。そのため、今でも初心者の域を越えてはおらず、容易く波に乗っていくビキニの女の子の横で、波に乗り遅れて寂しくバシャバシャしていたり、また寄せてくる波に巻き込まれそうになっている横で、地元の子供がすごい速さですっ飛んでいったりという有様である。ハワイはロングボード文化のようで、1つのボードに2人乗りしている人達や、波に乗った際に、立つ代わりに逆立ちしたりする人までいる。大きな波に様々なテクニックを駆使するショートボードも良いが、こうやってのんびりというか、ガツガツしないで大らかに波乗りを楽しむのも、ハワイらしくて良いなと思う。

 5月の授業終了後、帰国までの残された時間を惜しむかのように、それこそ毎日のように海へと行った。とうとう帰国前日の夕方。最後のサーフィンをしに、最初と同じワイキキ・ビーチへと行く。最後ということで、海の神様がおまけしてくれたのか、普段の倍ほど波に乗ることが出来た。最高だった。海から上がった後も、これが最後だと思うと立ち去りがたくて、しばらくワイキキ・ビーチを眺めていた。