事実は小説よりも樹なり・ハワイ編14
アラモアナ・ビーチでBBQ (2003'01'27)




アラモアナ・ビーチにある
マジック・アイランドでのBBQの様子

 まだ、ハワイへ来て間もない頃のこと。祭日で学校が休みになったことがあったので、買ったばかりの自転車でビーチへと出かけてみた。アラモアナ・ショッピング・センターという、ハワイ随一の大きさを誇るショッピング・センターのすぐ横にあるアラモアナ・ビーチには、観光客でごった返すショッピング・センターとは打って変わり、「ロコ」と呼ばれる地元民で賑わっていた。箱型の大きな車で乗りつけ、シートとチェアを広げ、持参したBBQコンロでチキンなんかを焼いている。ラジオを流し、デッキチェアで本を読み、気が向いたらビーチへサーフィンしに行ったりする。香ばしいチキンの匂いを感じながら、これがハワイ流の休日の過ごし方なのだな、と思った。  

 一度、その風景を見てしまうと、中々頭から離れられない。ビーチへ行くたびに、スーパーでチキンを見るたびに、あの香ばしい匂いと共に記憶が蘇ってきて、自分でもやりたくなってたまらなくなった。そんな折、スーパーで素晴らしいモノを発見する。「使い捨てBBQコンロ」。アルミホイルで出来ており、既に炭も固形燃料もセットされていて、90分は火が持つという。それで、お値段たったの13ドル。それを見つけた晩には、「BBQやるよ!」と友達を誘っていた。

 とうとう予定決行日。祝日前日の夕方で、次の日の宿題や早起きの心配もなく万全の体制。人数は、あれよあれよの間に13人まで膨れ上がった。皆でスーパーでたんまり買出しした後に、アラモアナ・ビーチへと向かう。着いた時には、丁度、日が沈むところで、最高の夕日に息をのむ。そして、とうとうBBQ開始。チキンやら肉やらソーセージやら、一遍に焼きはじめたせいで、肉によっては焼けていたり焼けていなかったり…。加えて、日が沈んでしまったせいで、どの肉が焼けているのか見えなくなってしまったが、そんなこと推測しながら、友達とワイワイ盛り上がるのも、また楽しい。チキンを食べたら、べらぼうに美味しくて、こんな美味いチキン、久しぶりに食べたなと思った。多分、雰囲気のせいだとは思うけれでも…。

 やがて暗闇の中、友達と海に飛び込んだ。少し沖合いまで泳ぐ。星空の下で泳ぐというのも、また気持ちが良いものだ。海の中、振り返ると、砂浜の向こうにワイキキの高層ビル群がキラキラと輝いて見えた。