事実は小説よりも樹なり2003・1
ぼくにないもの。ぼくにあるもの。 (2003'08'08)



ぼくにないもの。ぼくにあるもの。
沖縄で撮った1枚
紅い瓦。屋根の上のシーサー。

 ハワイにいる友達からメールが来た。相変わらず暑い日々が続き、何も変わらない日々が続いている。唯一変わったといえば、車を購入した、とメールには書いてあった。トヨタのカローラだそうだ。ちなみに、その友達はまだ19歳。

 一方のぼくは、今年はもう24歳になるというのに、まだ運転免許すらない。履歴書の資格の欄に書けるのは、せいぜい英検2級ぐらいのものだ。その英検も、先日準1級を受験したものの、口頭試験に激しい二日酔いで行けなかった事は、既に紹介した通り。

 ないといえば、ハワイ留学中、留学生仲間の中で、ノートパソコンとデジタルカメラを持っていないのも、自分ぐらいのものだった。日々の授業のペーパーを書くのに、パソコンは必需品だ。このホームページを書くのにだってもちろん必要。それらを全て大学内のパソコンでやりくりしていた。しかし、パソコン・ルームは大学が休みの時には閉室してしまう。そういう時は、大学近くのネット・カフェまで行って仕上げたものだった。

 授業のペーパーも、このホームページも、まずは裏紙に鉛筆で下書きを書いてから、一気にタイプするというのが常だった。下書き2〜3枚書いて、やっとワード1枚分になる。そのため、鉛筆で薄汚れた下書き用紙を何十枚と書いた。はっきり言って、二度手間になるから効率は非常に悪い。その一方、思いつくままにペンを走らせることが出来るというメリットもあった。

 写真も、このページに多く載せているから良く誤解されるのだが、ぼくはデジタルカメラを持っていない。そもそも自分のノートパソコンを持っていない訳で、デジタルカメラだけあっても、どうしようもないのだ。載せている写真は、普通のカメラで撮った写真を、大学のスキャナーで取り込んだものだ。スキャナーで写真を取り込むのは、単純単調な作業で、それを授業の終わった金曜日の午後などに、1人で黙々とやっていた。100枚ほど取り込んだあとは、だいぶぐったりとしてしまった。だから、日本に帰ってきて、携帯電話でもかなり綺麗な写真を取れるようになったのは、非常に嬉しい。

 免許ない。パソコンない。デジカメない。24歳になるのに、まだ大学卒業していない。就職活動を始めたものの、内定ない。更に言うと、彼女もいない。B型の性格ゆえか、自分のやりたいことを第一優先してしまうタイプなのだ。だから、彼女がいるときにも、相手のことを考えるよりも自分のことを優先することのほうが多かった。しかし、自分の夢や、やりたいことを実現しても、それを分かち合える、シェアできる人がいないというのは、寂しいことだ。やはり、自分のやりたいことや夢と同時に、相手のことは思いっきり大事にしてあげないといけない。そんなことも、今回の留学を通じて思うようになった。え?気付くの遅すぎ?仰る通りです。

 こんな、ないない尽しの中、唯一「ある」と言えるもの。借金。留学費用の育英会奨学金に、毎月のクレジット・カードの支払い。今月末からは、世界のウチナーンチュ大会に参加するため、再度1週間ほどハワイを訪れる。もちろん、クレジット・カード払い。アルバイトの給料は、全てカードの支払いで消える。やはり自分のやりたいことを、第一優先してしまうスタンスは、ちょっとやそっとでは直りそうもないようである。