事実は小説よりも樹なり 2004・33
横浜を観光する (2004'11'03)



赤レンガ倉庫
ライトアップされた横浜・赤レンガ倉庫

 横浜。よこはま。ヨコハマ。何だか、洗練され異国情緒漂う、そんな感じがする。「出身どこ?」「ヨコハマ。」そう聞いただけで、「港近くの都会モノ」といったイメージが浮かぶ。きっと、「横浜」ナンバーの車で、ベイブリッジや赤レンガ倉庫あたりをドライブしているんだろうな。もちろん、ぼくの勝手な先入観なのだが、やっぱり「練馬」ナンバーよりかは、「横浜」ナンバーのほうが格好良い気がする。

 東京の中でも、どちらかといえば埼玉県に程近い場所に住んでいるため、横浜へは数えるほどしか訪れたことがない。幼少期に、親に連れて行ってもらった中華街。中学生のときにクラスで訪れた「ワイルドブルー・ヨコハマ」。予備校のときに行った花火大会。

 そんな中、先日、沖縄からの友達を案内するため、久しぶりに横浜観光に出かけてきた。「案内する」といっても、ぼく自身ガイドブックを見ながらの観光である。

横浜大世界での昼食  渋谷から「みなとみらい線」で35分。最初に訪れたのが、横浜中華街。その中でも、03年11月にOPENしたばかりという横浜大世界DASKAへと足を運んだ。ここは、1920年代の上海をイメージして作られた複合アミューズメントスポットであり、京劇などのエンターテイメントや、13店もの厳選の中国料理を楽しむことができる。とくに、京劇は衣装や音楽もさることながら、立ち回りもスピーディーで切れがあり、はっきり言って想像以上であった。京劇の動きは、現在の中国アクション映画のスピード感や技の切れにも通じるところがあるように感じる。(写真=横浜大世界での昼食)

氷川丸  次に訪れたのが、山下公園。背中に横浜マリンタワー、正面には氷川丸を臨む。幼少期以来、おおよそ15年ぶりに氷川丸の中へと入ってみた。昭和5年に竣工し、昭和35年に引退するまで、主にシアトル航路を使われていたそうである。(写真=氷川丸内でポーズを決める)

 山下公園からは、散歩がてら港の見える丘公園へ。公園内にある、大佛次郎記念館に併設されたティールームで、チーズケーキを食べてひと休み。その後、横浜外国人墓地を抜けて元町まで歩く。

 元町はというと、停まっている車がほとんど外車なのには驚いた。外車から降りた若いマダムが、犬を連れて歩いている。中華街が観光客でごった返しているに対して、元町は地元の「セレブ」な方々がお買い物に来ているといった感じである。

 そろそろまたお腹が空いてきたので、石川町の駅から、桜木町へと移動する。お目当ては、駅前の複合型商業施設「クロゲート」の中のダイニングバー。バーカウンター横のテーブルに案内されたのだが、ランドマークタワーよこはまコスモワールドの観覧車の夜景が一望できる席で、何だかとっても得した気分。この日はちょうど中秋の名月で、ビルの上には、真ん丸の満月が明るく輝いていた。

みなとみらい夜景  食事後、一日の締めくくりとして、汽車道を通って横浜赤レンガ倉庫へ。汽車道は、海の中に伸びる一本の道なのだが、夜景が周囲の水面にも映り、まるでドラマの世界のようである。(=写真)最後の目的地、赤レンガ倉庫に到着。埠頭で潮風にあたりながら、赤レンガ倉庫と、その向こうに見える夜景を眺める。明治44年に竣工されたという倉庫は、暗闇のなかで薄っすらとライトアップされ、幻想的な空間を作り出していた。